60歳からの保険

60歳からの保険の見直し

自分の経験として、生命保険は一度契約するとそう何回も見直す機会がありません。新入社員の時に〇〇レディーさんに勧められるままに契約した覚えがあります。その後、結婚を機会に見直し、その後も先進医療特約やリビングニーズ特約などこれも〇〇レディーさんの言われるままに追加。5年ごとに更新手続きが必要なこの手の保険は、継続契約時に保険料が自動的に増額されますが、支払保険料の負担を抑える為に、なんとなく保険金額を減額しながら現在に至っていました。さすがに、60歳になると、保険の目的も今までとは異なってきます。子供たちが扶養家族である間は、万一の時に備えての子育て・教育費用などの確保ということが大きな目的でしたが、60代になると、一旦子育ても終わり、教育費用についてもほぼ目途がついてきます。これからの保険の目的は、自分たち夫婦の老後にむけてのリスクへの備えという意味合いに切り替える必要があります。

では、これから保険の目的として以下の3点に考えました。

  1. 病気や事故により発生する費用への備え
  2. 介護や認知症状態になった場合への備え
  3. 葬儀費用やお墓代など最小限発生する費用への備え

病気や事故により発生する費用への備え

年齢を増す毎に病気へのリスクは高くなるため、入院や手術費用などを補える医療保険があると安心です。会社に勤めていれば例えがんになっても傷病手当金など、健康保険で医療費の多くが賄われますが、退職後は国民健康保険への加入となり、傷病手当金などの制度がないため負担額が多くなります。但し、高額療養費制度の利用により自己負担となる医療費の上限金額がある程度想定することが出来ます。また、公的健康保険の適用外(例えば、先進医療の技術料や差額ベット代など)での全額自己負担分への備えも考慮した上で適正な保険金額を決める必要があります。

退院患者の平均在院日数は以前に比べると短期化しています。理由としては、医療技術の進歩で体への負担を軽減できる手術法が一般化した為、日帰り入院や一泊入院が増えたからです。しかし傷病分類別の平均入院日数で見ると、脳卒中を含む脳血管疾患では78.2日と長くかかります。更に高齢者に限れば、75歳以上では98.9日とほぼ100日と長期入院になり、それに伴い自己負担費用も増えることになります。

医療保険の保障額としては以下の費用の補填とする。

保障対象保障金額
健康保険適用外の差額ベット代や食費代など1日当たり5000円
先進医療の技術料通算支払限度額2000万円
高額療養費制度の自己負担額入院一時金

介護や認知症状態になった場合への備え

もっとも老後において心配なのは、認知症の発症や介護状態になること。家族の負担を減らすためにも介護施設の利用なども検討する必要がある。介護費用については、介護レベルや介護施設により大きく異なりますが、生命保険文化センターが介護経験者を対象に調査した結果によると1人当たりの介護費用は約580万円(出典元が不明)となります。但しこの金額は施設介護や在宅介護を合わせた平均でありますし、介護期間についてもケースバイケースのため、あくまでも目安です。自己資産で十分賄えると判断すれば、特別な保険は必要ないといえますが、家族に費用負担がかかることが無いように、また長期にわたる介護の場合の保険として備えておくと安心です。

保障対象保障金額
要介護状態一時金600万円
身体障害状態一時金600万円

葬儀などで発生する費用への備え

特に別途準備をするまでもなく、自己資産で十分賄えると判断すれば、特に必要ないかもしれません。とはいえ、日本消費者協会の資料では葬儀費用の全国平均は195.7万円。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査から葬儀費用の全国平均金額では約133.6万円(2019年度)です。葬儀の規模や地域でも大きく異なりますが、この程度の費用は掛かるものとして備えておきましょう。参考資料

保障対象保障金額
死亡時一時金200万円