確定給付年金と企業型確定拠出年金の違いとは?わかりやすく比較

確定給付年金と企業型確定拠出年金の違い

確定給付年金(DB)と企業型確定拠出年金(DC)の違いは次の通りです。

  • DB:将来の受取額が決まっている(会社がリスクを負う)
  • DC:掛金が決まっている(自分が運用リスクを負う)

簡単に言えば、「安定型(DB)」か「自己運用型(DC)」かの違いです。

年金制度の全体像(4階建て)

  • 1階:国民年金(全員)
  • 2階:厚生年金(会社員)
  • 3階:企業年金(DB・DCなど)
  • 4階:個人年金(iDeCoなど)

1階と2階は強制加入の公的年金、4階は個人年金と呼ばれ、公的年金に対して私的年金とも言われます。

今回のテーマである「確定給付年金」と「企業型確定拠出年金」は、3階の企業年金に該当します。

確定給付年金と企業型確定拠出年金の違い

項目確定給付年金(DB)企業型確定拠出年金(DC)
将来の受取額決まっている運用次第で変動
掛金変動固定
運用リスク会社個人
資産管理全体管理個人別管理
転職時不利移換可能(有利)

確定給付年金

確定給付型年金 (確定給付企業年金や確定給付型年金ともいわれます) は、「将来いくら退職金(または年金)がもらえる」という将来の給付額の算定方法があらかじめ定められており、会社は定められた給付を将来払えるように準備していくものです。
つまり給付金が確定している(が毎月の拠出額が確定していない)年金制度ということです。

会社は、会社の全額負担(一部を社員が負担する場合もあります)で 全社員分の掛け金を 毎月積み立て、その掛金を運用することで将来必要となる退職金を準備します。想定通りの利回りで運用できれば問題ありませんが、想定通りの利回りが出ない場合は、その穴埋めをするために、会社は補てんする必要があります。昨今の低金利により、この補てん金額の増加により、会社の経営状態に悪影響を及ぼす場合もあります。

社員にとっては、会社が必要な退職金相当額を準備してくれるので、メリットのある年金制度ともいえます。

但し、後で言う確定拠出年金のように年金資産の管理が個人別管理ではなく制度全体での管理の為、個人資産が不明確な為、最近の働き方の多様化(転職、途中入社など)にはそぐわないというデメリットもあります。

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金 (企業型年金や確定拠出年金(企業型)ともいわれます) は、「今、いくら掛金を支払うか」という毎月の拠出額の算定方法を定めて、運用の成果に応じた給付を行うものです。つまり拠出(掛金)が確定している(が給付金額は確定していない)年金ということです。

会社は掛金を全額負担(マッチング拠出が認められる場合は。一部社員負担が出来ます。)しますが、その運用方法は社員に委ねられます。会社が用意した複数の運用プランの中から自分にあったプランを選んで社員自らが運用します。うまく運用出来れば想定以上の退職金が準備できますが、上手く運用できなければ想定していた退職金額が下回る場合もあるということです。
会社としては、一定の掛金のみの負担となり想定外の積立補てんがなくなり会社経営が安定しますが、(プラス面もマイナス面も含めて) リスクを社員が直接受けることになります。

また、確定拠出型年金は個人資産が明確に分類されている為、転職や起業した場合、転職先の会社の年金制度への移換や個人型確定拠出年金(iDeCo)への移換などが容易になっています。つまりポータビリティに優れているといえます。

どちらが有利か

どちらが有利かは一概には言えませんが、次のように考えると分かりやすいです。

  • 安定した退職金を重視する → 確定給付年金
  • 資産運用で増やしたい → 確定拠出年金

最近は企業型DCを導入する企業が増えており、サラリーマン自身が運用を考える必要がある時代になっています。

退職金との関係

企業型確定拠出年金は、退職金の一部として扱われることがあります。

そのため、受け取り方によっては税金が変わることがあります。

詳しくは以下の記事で解説しています。

まとめ

  • DBは受取額が確定、DCは運用次第
  • DBは会社、DCは個人がリスクを負う
  • 最近はDCが主流になっている