定年後も働くべき?50代から考える再雇用と年収ダウン
50代になると、定年後も働き続けるべきか悩む人が増えてきます。
以前は60歳で定年退職し、その後は年金と退職金で生活する人も多くいました。
しかし現在は、年金支給開始年齢の引き上げや物価上昇、老後資金不足への不安から、定年後も働く人が増えています。
一方で、再雇用になると年収が下がるケースが多く、「働く意味があるのか」「年金は減らないのか」と気になる人も少なくありません。
50代は、住宅ローン、教育費、老後資金を踏まえて、定年後の働き方を考え始める時期です。
この記事では、定年後も働くべきかどうかを判断するために、再雇用後の年収ダウンや年金との関係について解説します。
目次
定年後も働く人は増えている
現在は、多くの企業で60歳定年後の再雇用制度が導入されています。
2021年4月からは、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となりました。
具体的には、企業は以下のいずれかの措置を取るよう求められています。
- 70歳までの定年引上げ
- 定年制の廃止
- 70歳までの継続雇用制度
- 業務委託契約などによる就業機会の確保
- 社会貢献事業への従事機会の提供
出典:厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正」
再雇用で年収はどれくらい下がるのか
定年後に再雇用された場合、多くの人は年収が下がります。
一般的には、60歳以降の再雇用では、現役時代の年収の6割から8割程度になるケースが多いといわれています。
例えば、60歳時点で年収700万円だった人が、再雇用後に500万円程度まで下がることもあります。
さらに、役職手当や賞与がなくなり、仕事内容も変わるケースがあります。
そのため、働き続ける場合でも、60歳以降の生活費は現役時代より下げる前提で考えることが重要です。
再雇用でも働くメリット
再雇用で年収が下がっても、働くメリットは大きくあります。
1. 老後資金の取り崩しを遅らせられる
60歳以降も働いて収入があれば、退職金や貯蓄を使う時期を遅らせることができます。
例えば、65歳まで年収400万円で働けば、生活費を給与でまかなえるため、老後資金を大きく減らさずに済みます。
50代でキャッシュフロー表を作ると、60歳で退職した場合と65歳まで働いた場合で、老後資金の残高が大きく変わるケースも少なくありません。
2. 年金の繰下げ受給ができる
老齢年金は原則65歳から受け取れますが、66歳以降に繰下げ受給することもできます。
繰下げ受給をすると、1か月遅らせるごとに0.7%ずつ年金額が増えます。
75歳まで繰下げた場合、年金額は最大84%増加します。
そのため、65歳以降も働いて生活費をまかなえる人は、年金を繰下げることで将来の受給額を増やせる可能性があります。
出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」
3. 社会とのつながりを維持できる
働く理由はお金だけではありません。
定年後に急に仕事がなくなると、生活リズムが崩れたり、人との関わりが減ったりすることがあります。
再雇用やパート勤務でも、社会との接点を持ち続けることで、健康面や精神面でよい影響がある人もいます。
働き過ぎると年金が減る場合がある
一方で、65歳以降に厚生年金に加入しながら働く場合は、「在職老齢年金」に注意が必要です。
在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受け取りながら働く人について、給与と年金の合計額が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止になる制度です。
2026年度は、老齢厚生年金の月額と総報酬月額相当額の合計が月51万円を超えると、超えた金額の2分の1が支給停止となります。
ただし、支給停止になるのは老齢厚生年金部分だけで、老齢基礎年金は減りません。
出典:日本年金機構「在職老齢年金」
50代のうちに考えておきたいこと
定年後も働くべきかどうかは、人によって異なります。
そのため、50代のうちに以下の点を整理しておくことが重要です。
- 住宅ローンは何歳で完済するか
- 子どもの教育費はいつまでかかるか
- 退職金はいくらか
- 年金見込額はいくらか
- 60歳以降の生活費はいくら必要か
- 65歳まで働く必要があるか
- 70歳まで働いた方が安心か
これらを整理することで、自分にとって無理のない働き方を考えやすくなります。
まとめ
定年後も働く人は増えていますが、再雇用では年収が下がるケースが多くあります。
ただし、働き続けることで、
- 老後資金を減らしにくくなる
- 年金の繰下げ受給ができる
- 社会とのつながりを維持できる
というメリットがあります。
一方で、在職老齢年金によって年金が減る場合もあるため、働き方によっては注意が必要です。
50代のうちに、退職金、年金、住宅ローン、生活費を整理し、自分に合った定年後の働き方を考えておきましょう。

