DCを一時金で受け取る(3)完結編【NRKでの実際の流れ】
第2回の「DCを一時金で受け取る(2)書類記入編【NRKでの実際の流れ】」では、郵送されてきた書類を完成し確認書類を貼付して、一時金の請求手続き完了までの流れを解説しました。
第3回の完結編では、書類を送付した後、一時金が振り込まれるまでを解説します。
シリーズ記事「DCを一時金で受け取る」
- 第1回:WEB手続き編
- 第2回:書類記入編
- 第3回:完結編 ← 今回はこの記事
目次
振込金額はこうなりました
結果としては、
私の場合、DC一時金は書類作成から約2か月で指定口座へ入金されました。入金までに少し時間がかかりましたが、税額も含めてほぼ想定通りでした。
送られてきた明細はこの通りです。税金計算については、後半で説明します。同じ年に退職金とDCの一時金を受け取っていれば税金はかからなかったはずなのに・・・

また、今回のDC一時金についても、退職所得源泉徴収票が同封されていましたので、今後再就職して退職金を受け取るようなことがあれば、この源泉徴収票も必要となりますので保管しておく必要があります。

振込み確認までの日程感
ここで今までの日程感を再確認します。
| No | 手続き | 内容 | 日程感(私の場合) |
|---|---|---|---|
| ① | 受取手続きのご案内 | 請求手続きが可能になった時点で郵送 | 2025年12月6日 到着 |
| ② | WEB上で請求書類作成 | 「第1回:WEB手続き編」の手続き 作業時間は1時間前後 | 2026年4月22日 作業 |
| ③ | ②請求書類到着 | 2026年4月25日 到着 | |
| ④ | 請求書類の記入&郵送 | 「第2回:書類記入編」の手続き 作業時間は1時間前後 | 2026年5月3日 作業&郵送 |
| ⑤ | 内容不備?で返送 | 2026年5月25日 到着 | |
| ⑥ | 問い合わせ&再提出 | 電話での問い合わせ及び書類修正・郵送 | 2026年6月2日 郵送 |
| ⑦ | 給付金支払のお知らせ | 「第3回:完結編」 | 2026年6月20日 到着 |
| ⑧ | 給付金振込確認 | 振込口座への入金確認 | 2026年6月24日 入金確認 |
整理するとこのような流れになり、②の給付金請求書類の作業から⑧の振込口座への入金で約2か月かかったことになります。
但し、私の場合、途中で⑤内容不備?による返送⑥問い合わせ等があり、少し正常な場合よりも時間がかかったかもしれません。
但し、紙による書類の受け渡しの場合は往々にして、このようなトラブルは起こりますので、手続きを行う場合は余裕をもって実施することをお勧めします。
(確認)今回のケース
では、ここからはお金、特に所得税の計算について少し詳しく説明したいと思います。
今回、私が請求を行ったDCの一時金は以下の図の「今回」部分にあたります。
先に退職金を受け取った後、約3年後にDCを一時金として受け取るケースとなります。
- 2022年12月に60歳で退職して退職金1,300万円を受け取る。(勤続年数:38年)
- 2026年6月にDCを解約して320万円を受け取る。(加入期間:5年)

DC一時金の振り込み金額は?
退職金の所得税額とみなし勤続期間
上記のケースに従って今回のDCの所得税がどのように計算されたのか検証します。
退職所得の課税計算には、全ての退職所得が関係してきますので、
まず、退職金の所得税の計算をします。
退職所得控除額=800万円+70万円×18年=2060万円
退職所得=1300万円-2060万円 ≦ 0
所得税は0円です。
次にみなし勤続期間を計算します。
(1300万円-800万円)÷ 70万円 = 7.14年 = 7年
みなし勤続期間=20年+7年=27年
みなし勤続年数については、退職金とDCを2回受け取るときのみなし勤続年数の計算方法を解説
をご覧ください。
DCの加入期間は?
ここからは、DCの一時金について計算を行います。
DCの加入期間は5年です。この場合、60歳でDCへの拠出は終了しており、
それ以降は、運用指図者となります。DCの加入期間を算出するときは、この運用指図者の期間は含めません。
【言葉の説明】
運用指図者とは、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)で新たな掛金は拠出せず、これまで積み立てた資産についてのみ運用の指図(商品の選択や預け替え)を行う人を指します。多くは60歳到達や退職などで加入者資格を失った後にこの立場になります。
DCの退職所得は?
次にDCの退職所得を計算します。
その前に退職金の勤続年数との重複期間をチェックします。
重複期間があるとその期間はDCの加入期間に含めることができないからです。
本来は勤続年数38年ですが、みなし勤続年数は27年となったため、DCは退職金と勤続年数の重複はありません。
DCの加入期間は5年の為、短期退職手当となりますが少額の為、通常の退職所得の計算方法で問題ありません。
退職所得控除額=40万円×5年=200万円
退職所得=(320万円-200万円)÷ 2 = 60万円
短期退職手当については、短期退職手当に係る退職所得の金額は?通常の退職金との違いを解説
をご覧ください。
結果、入金額はいくら?
結果、DC一時金の課税所得は60万円で、
所得税は60万円×5%×102.1% = 30,630円
住民税は60万円×10% = 60,000円
更に、少額ですが、DCの運営管理機関、資産管理機関等への事務手数料(1,164円が)が差し引かれた
3,108,206円が口座に入金されました。
まとめ(感じたこと)
今回は3回にわたり、私自身が実際に経験した「退職金受給後、約3年後に企業型DCを一時金で受け取るケース」を紹介しました。
近年、DC(iDeCo)への加入者が増加傾向にあり、退職金とDCを2回に分けて受け取るケースは、一般的になりつつありますので、「受け取り方や受け取る時期によって税金は変わる」ことがあることだけでも、知識として身に着けておきましょう。
特に高額の退職金やDCを2回以上に分けての受け取りを予定している方は、ご自身の状況でも一度シミュレーションしてから手続きを進めることをおすすめします。

